葬儀はこの日、無事に終わった…
まあ、僕が言うのも何だが親父はそれなりに人生で大きな功績を残してきた人だったから、告別式への参列者も多く、届けられた花輪は葬祭会館の広い駐車場をぐるっと取り囲むだけの数になった。
親族を代表しての謝辞を述べるとき、感極まって僕は泣いてしまった。
自分にとっては幼い頃から、何となくでかくて怖くて…
なかなか超えられない存在の親父で…
そんなふうに涙が出るとは思っていなかったのだが、言葉を繰るうちに涙に噎んだ。
親父の通夜と葬儀は葬祭会館で行った。
僕と親父の仕事の関係上、弔問客の数は本当に多かったので、その大勢の客をさばくには自宅では大変だったろうと思う。
そういう意味で、葬祭会館が家の近くにあったのはほんとにラッキーだった。
で、その夜…
葬祭会館に泊まり込んだ僕は誠に
した。「通夜は無事に終わったよ…」
「ねえねえ、奥さんは喪服きてきれいだった?」
「…??」
「海の隣には奥さんがいたんだよね…」
「そうだけど…」
この日の未明…
ついに親父が死んだ…
前夜「明日も来るからね…」と言って病室を出ようとしたときに、寂しそうな目で僕を見つめた親父…
あの目は今でもはっきりと頭に焼き付いている…
明け方、まだ布団の中にいた僕のところへおふくろから急を知らせる
…慌てて起き出して着替え、病院に向かったけれどその車中で再びおふくろから…
「いっちゃったよぉ…」
の向こうで後は号泣…病院に着いたときには、もう親父は息をしていなかった。
前夜のあの悲しそうな…寂しそうな…
あの何かを訴えるような親父の目は、こうなることを悟っていたからなのだろうか?
そう思うと僕は、前夜病院に泊まらなかったことを悔やんだ。
結局僕は親父の臨終に立ち会えなかったのだ…
年度替わりで仕事も忙しい…
そして、親父の容態は相変わらず…病院から出勤の毎日は続いていた。
余命宣告の3ヶ月も日に日に近づいてきていた。
土日になると、親父の兄弟やら知人、親戚が大勢病室に押しかけてきて、その相手もしなければならない…
彼女と会うことなど到底不可能だった。
そんな我慢が限界に達したのか、誠がこの日こちらへ出かけてきて、僕は病院を抜け出し病院の近くのパチンコ屋の駐車場で会った。
そして当然、人目を忍んで二人でゆっくりできる場所となれば、
しかない…僕らは親父が入院している病院からも見える距離にあるホテルへ入った。
FC2カウンター

名言集
